なぜリスク資産をオールカントリーだけにしているのか

将来に向けて、お金を増やしたい。
だけど何に投資してよいのか分からない。

SNSやYouTubeでは「S&P500が最強」「インド株がこれから伸びる」など、いろんな情報が飛び交っています。
実際、自分も一時期はそういった声に気持ちが揺れたことがありました。

でも――会社員として日々働き、家族と過ごす時間を大事にしたい自分にとって、
投資に無駄な時間や神経をすり減らすことはしたくないという気持ちがあります。

それに、投資で一発当てたいわけじゃない。
大切なのは、家族を不幸にしないこと。将来に備えながら、効率的に運用すること。

だからこそ、自分が選んだのが「全世界株式(オールカントリー)」1本での運用です。

この記事では、自分がなぜリスク資産をオルカンだけにしているのかを、
長期・分散・低コストといった観点から、理論と実体験を交えて紹介していきます。

目次

投資方針は「オールカントリー1本」

自分がリスク資産として選んでいるのは、

eMAXIS Slim 全世界株式(通称:オールカントリー/オルカン)

のみです!

理由はシンプルで、
「これ1本で世界中の株式に投資できる」から。

投資のことを四六時中考えるような余裕はないし、個別株を選んだり、国ごとの成長率を予測するほどの専門知識もない。
だからこそ、あらゆる国・あらゆる企業に自動的に分散されていく“オルカン1本”が、自分にとって最も合理的な選択でした。

現在の運用スタイルはこんな感じです

  • 積立投資:NISA口座で毎月自動積立(楽天証券)
  • 資産配分:オルカン90%、国債10%(現金含まず)
  • 生活防衛資金:500万円を銀行口座に確保
  • リバランス:年1回実施

投資で億万長者!とは思っていません。
むしろ“負けない”ためにどうすればいいかを考えた結果、このシンプルな方法に行き着きました。

なぜ長期・分散・低コストが大切なのか

分散:「何が起きても耐えられる」投資の基本

投資でよく言われるのが、「卵を1つのカゴに盛るな」という考え方です。

どの国がこれから伸びるのか?
どの企業が将来のGAFAになるのか?
そんなことは、誰にも分かりません。

だからこそ、最初から「全部に投資しておく」というのが、オールカントリーを選ぶ最大のメリットです。

オルカンは、世界中の株式市場(先進国・新興国含む)を時価総額加重で組み入れているため、

  • アメリカが伸びれば自然と比率が上がる
  • 新興国が伸びればそちらに自動で資金が流れる
  • 一部の国が沈んでも、他がカバーする

という、時代に合わせて変化する分散が仕組みとして備わっています。

投資信託内で勝手にリバランスしてくれるんだな!
ありがたやありがたや。

理論で裏打ちされた分散の価値

『ウォール街のランダムウォーカー』でも、『敗者のゲーム』でも共通して語られているのは、

「分散投資こそ、個人が取りうる最善の防御手段であり、攻めの手段でもある」

という事実。

現代ポートフォリオ理論(MPT)でも、「異なる値動きをする資産を組み合わせることで、リスクを最小限に抑えつつ、リターンを維持できる」とされています。

つまり、分散は「ラクをして平均点を取る」ための仕組みではなく、「最も合理的にリスクを減らし、リターンを維持する方法」なんです。

長期:「投資の成功率を高める唯一の武器」

投資でリスクがつきものなのは、言うまでもありません。
でも、それを“時間”でならすことができる。これが、長期投資の最大のメリットです。

株式市場は、短期的には上下を繰り返しますが、
10年・20年といったスパンで見れば、世界経済は右肩上がりで成長を続けてきました。

『敗者のゲーム』では、こう述べられています。

「市場は短期的にはノイズに満ちているが、長期では実体経済を反映する」

つまり、「何が起きるか分からない短期」ではなく、
「ほぼ確実に成長してきた長期」に資産を託す方が、勝率が高くなるということです。

長期投資と複利の力

そして、長期投資の最大の味方が「複利」です。

複利とは、運用で得た利益を再投資し、それにもまた利益がつくというサイクル。
これが何年も続くと、資産は雪だるま式に増えていきます。

たとえば、年利5%で100万円を運用した場合、

  • 10年後:約163万円
  • 20年後:約265万円
  • 30年後:約432万円

と、時間が経つほど増加スピードが加速していくのが分かります。

この「複利の力」は、“途中でやめないこと”が絶対条件
だからこそ、自分は「長く続けられる方法=オルカン1本の積立」にこだわっています。

日々の値動きよりも、複利の時間を育てることに集中する。
それが、自分にとっての長期投資です。

あの天才アインシュタインも
「複利は人類最大の発明である」
という言葉を残したそうな

自分がXでフォローしている「S&P500全力マン」さんが配当金再投資が内部的にどのように行われているのか?を三菱UFJ国際投信さんに問い合わせた投稿があるのでそちらもご覧ください。

低コスト:「運用成果をむしばむ”見えない手数料”とどう向き合うか

投資では「年利◯%のリターン」という言葉に目が行きがちですが、
実はそれ以上に重要なのが**コスト(手数料)**です。

なぜなら、コストは確実に引かれる“マイナスの期待値”だから。

手数料は確実にリターンを削る

『ウォール街のランダムウォーカー』では、こんなことが書かれています。

「アクティブファンドが市場平均を下回る最大の理由は、コストである」

つまり、市場に勝とうとするファンドほど、売買コストや信託報酬が高くなり、結果的にリターンを削ってしまう

対して、インデックスファンド(オルカンなど)は、

  • 売買頻度が少ない
  • シンプルな運用で人件費がかからない
  • 規模が大きく経費率が下がる

という特性により、超低コストを実現しています。

年0.1%の差が、20年後には大きな差に

たとえば、同じ年間5%のリターンが出る前提で、100万円を30年間運用した場合:

  • 信託報酬0.1%のファンドなら…
     → 約417万円に増えます
  • 信託報酬1.0%のファンドなら…
     → 約348万円にしかなりません

その差は約69万円

つまり、たった0.9%の手数料差でも、30年積み重なると「70万円近いロス」になるということです。

これは、「投資の下手な売買」よりもよほど確実な損失。

投資で成果を出したいなら、まずは「いかに余計なコストを払わないか」を徹底することが重要です。

オルカンは、今のところ信託報酬0.05775%(2024年6月時点)という、世界的に見ても超低コスト水準。
だからこそ、自分は「これ1本」と決めて継続できています。

現代ポートフォリオ理論に学ぶ「リスクとリターンの最適化」

投資を始めた頃、頭の中には「リスクを取ればリターンも大きくなる」という漠然としたイメージがありました。

でも、本当に大事なのは“無駄なリスクを取らずに、効率よくリターンを得ること”
その考え方の基礎になっているのが、現代ポートフォリオ理論(MPT)です。

現代ポートフォリオ理論の最大のポイントは、

値動きの違う資産を組み合わせることで、ポートフォリオ全体のブレを抑えつつ、リターンは保てる

という点です。

たとえば…

  • 株式だけだと景気に左右されやすい
  • 債券だけだとリターンが小さい
  • でも、両方を混ぜると“意外と安定する”というのがこの理論の本質です

オルカンは1本で全世界に分散されているため、株式の中ではこれ1本で十分な分散ができています。
そこに変動10年国債(国内債券)を10%だけ組み合わせて、全体の値動きを少しだけ抑える構成にしています。

正直、家庭や仕事がある自分にとって、
「もっと細かく配分して〜」と考えるのは負担が大きすぎます。

だからこそ、“最低限の分散で、最大限の安心を”というこの理論の考え方が、自分にぴったりだと感じました。

運用方針の根拠となった書籍たち

投資を始めるにあたって、自分が一番気をつけたのは「感覚ではなく、考え方の軸を持つこと」でした。
その土台になったのが、以下の書籍です。

ウォール街のランダムウォーカー

「プロでも市場に勝ち続けるのは難しい」
というデータと理論を、過去100年以上の市場実績をもとに示してくれます。

インデックス投資が「仕方ないから選ぶ妥協案」ではなく、「勝率の高い理論的な選択」であることを教えてくれた一冊。

敗者のゲーム

市場平均を上回ろうとする投資は、多くの場合「敗者のゲーム」になる。
それよりも、「市場に居続けること」「コストを抑えること」「感情を排除すること」に価値があるという視点をもらいました。

投資の大原則/インデックス投資は勝者のゲーム

どちらもインデックス投資の基本と魅力を、淡々と、でも確信を持って伝えてくれる本。
「派手さはなくても、こういう投資なら自分にもできる」と思わせてくれました。

どの本にも共通していたのは、

  • 再現性がある
  • シンプルに続けられる
  • 無駄な手数料や情報に振り回されない

という価値観です。

まとめ|”勝ちにいかない投資”こそが、家族を守る選択

投資にはいろんな手法があります。
でも自分は、「なるべく手間をかけず、リスクを抑えて、家族の未来を守る」ことを最優先に考えました。

  • 分散でリスクを最小限にし
  • 長期で時間を味方につけ
  • 低コストで着実に資産を積み上げる

この3つをすべて満たせるのが、オールカントリーでした。

投資のことを考えすぎて、本業や家族との時間が削られるのは本末転倒です。
自分は「勝ちたい」のではなく、“負けない仕組みを作っておきたい”だけなんです。

そしてそれは、自分だけじゃなく、
きっと同じように家庭や仕事を抱える“普通の会社員”にも共通する感覚だと思います。

これからも、オルカン一本でじっくり資産を育てていく。
それが、自分なりの「リスクとの付き合い方」であり、家族を不幸にしないための現実的な選択です。

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この記事を書いた人

2児のパパで、筋トレ歴10年以上。
工場勤務の傍ら、家族と趣味の両立を目指してブログで副収入に挑戦中!
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筋トレ・副業・家族のリアルを、全力で発信しています!

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